ミランダ・スミス著”An Animal a Day”(邦題:『動物366ずかん』)を訳した話
6月に、翻訳した『動物366ずかん』(小学館)が刊行されました!わーい。
これまで『クジラが歩いていたころ』(化学同人)など、子ども向けの図鑑を何冊か訳してきましたが、こちらは1日に1匹ずつ動物を紹介していくというカレンダーのような本で、情報量満載です。
ちゃんと閏年の動物もいますので、「366」ずかんなんですね。ちなみに2月29日の動物は「コビトカバ」です。おやこ。かわいい。

このお仕事はちょうど1年前に、小学館の編集者の方にご紹介いただいたものでした。
ある日迷惑メールボックスを開いたら「小学館」という文字が飛び込んできたのですね。びっくり。ちゃんと定期的に迷惑メールも確認しておいてよかった、危ない危ない、と思いながら慌てて返信したのを覚えています。
フリーランスをしていると、朝起きたらなんかめっちゃ面白そうな仕事のお誘いが来ている、ということがたまにあります。本当に、たま~にですけどね。
編集の田中さんは、わたしが今まで訳してきた子ども向けの読み物をご存知で、わざわざメールをくださったのでした。これまで、訳した本はちゃんと世の中に届いているのかな、と思いながらお仕事してきましたが、目に留めてくださる方はいるんだなぁと感動。
後日、小学館の本社で打ち合わせがありました。エスカレーターを上がったらずらりと受付の方が並んでいて、わ~大企業だ~と思ったのを覚えています。ふだん家でお仕事をしているので、久しぶりにフォーマルな(?)場に行くと場違い感というか、なんかちょっと緊張しますね。ジャケットなんか着て行ったりして。
翻訳の方針や締切などについて打ち合わせをし、原書をいただき、ああ緊張した、帰ろ帰ろ、と言いながら家に帰りました。
366ずかんと言うからには本当に366種の動物が紹介されているわけで、200ページ超えの分厚い図鑑をちまちま訳していく生活が2ヶ月ほど続きました。動物の豆知識を学んで「へ~」「かわいい~」とか言ったり、画像検索で出てきたグロテスクな動物の画像にびびったりする毎日(ぜひ「フクロウナギ」と検索してみてください)。
ふだん実務翻訳をしている身としては、動物の生態を調べたり、画像を検索したりして訳文を作っていくのはご褒美みたいに楽しい時間でした。実務系がつまらないというわけではないですが、案件によっては無味乾燥な(利用規約とかプライバシーポリシーの翻訳とか)ものもあるので・・・
そして監修は『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)や『ざんねんないきもの』シリーズで有名な今泉忠明先生でしたから、いろいろ学ばせていただくことも多く貴重な機会だったなと改めて思います。
この図鑑は、編集の田中さんも仰っていましたが、とにかくイラストが美しいです。フルカラーの贅沢な作りです。ただランダムに動物が紹介されているわけではなく、何ページかごとに、「家で見かける動物たち」や「砂漠で生きのびる動物たち」など、トピックごとにまとめられた見開きページもあります。

366種も紹介されているので、普通に知られているような「パンダ」とか「アリクイ」とかも載っていますが、なにこれ、みたいな面白い動物も見つけられると思います。あまりにも知名度がなくて、検索しても情報がほとんど出てこない動物もいたり。
ちなみにわたしのお気に入りは「イリナキウサギ」です。Google 検索すると、岩の割れ目から顔を出している写真が見つかります。かわいいです。

「アメリカバイソン」の説明文は、躍動感ある感じに訳せたんじゃないかと思っています(のしのし)。

どの動物にも、それぞれおもしろい特徴があります。「フタコブラクダ」のように大きなコブにエネルギーをたくわえたり、「ワニガメ」のように、ミミズみたいなピンク色の舌をくねくねさせて、えものをおびき寄せたり。「ヒメウォンバット」は、巣穴で最大16時間も寝て(うらやましい)、夜になるとやっと食べ物を探しにのそのそ出てきます。
ものすごく攻撃的でいかつい動物もいれば、あんまり武器らしい武器もなくて隠れるように暮らしている動物もいます。でもみんな、この地球上で自分の居場所を見つけながら、どうにか生きているのですね。
そして、最後に絶滅危機にある動物たちのページもあります。人間のしてしまった失敗をちゃんと理解して、それをどう未来に生かしていくのか、わたしたちはやっぱり考えないといけません。みんな支え合って、というか、食ったり食われたりしながら地球で暮らしているわけですから。

もしどこかで見かけたら、お手に取ってみてくださいね。なにとぞ。


