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クリスマスのロンドンでときめきを集めた話(その3)

ロンドン2日目!

朝から編み物をしていたわたしは、そのまま外へ出てカフェに入り、朝食をとって編み物をしていました。


これは、まちがえてほどいた水の泡。
ほどいた糸までかわいいので良し。


あまりにも外が寒かったので、いったん部屋に戻って防寒対策をしてからロンドンの南、PimlicoにあるBeautiful Knittersさんへ。ピムリコって、響きがかわいいですよね。

雨模様のロンドン。


ちいさなお店でしたが、お客さんがひっきりなしに訪れる人気のお店でした。


玉巻きの糸がたくさんあり、在庫数も色展開も豊富。


かわいい・・・


サンプル作品も。


日本の野呂毛糸もありました。巨大サイズ!海外では、Noro yarnとして有名だそうな。


もちろん、かせの毛糸も。日本の手芸屋さんでは、こうした「かせ」の状態で売っているお店は少ないですよね。


かせは100g単位が多く、そのぶん50g単位の玉巻きよりもお高めです。ひとつ15〜20ポンドくらい(約3000円~4000円)だったかな。


日本だと25g〜50gの玉巻きが多く、お値段300円〜1000円くらいの印象ですから、海外の毛糸はやはり高く感じます。安いものでも、4.5ポンドくらい。今のレートにして1000円弱ですね。マーケットなどに売っているお安めのアクリル毛糸なら2ポンドくらいからありました。

店員のお姉さんたちはとても親切でかわいらしく、雰囲気の良いお店でした。

こちらでは、豆ばさみIsagerのアルパカブークレ(ループ状になっている毛糸のこと)、4.5mmの輪針、そしてステッチマーカーをお買い上げ。


豆ばさみ、衝撃のかわいさ。日本製だそうで、日本で買ったほうがお得でしたがもちろんそんなことは承知で買いました。レジの付近に置いてあるとついつい買っちゃいますよね。


いま買うということ、そしてロンドンで買ったという事実が大事なのです(自分の納得のさせかた、得意です)

こちらがアルパカブークレで、


こちらがステッチマーカー。Semi precious stones(半貴石)を使っているそうです。美しい。


こちらが輪針。輪針はCircular knitting needleというんですね。こちらは中国製で、とても使いやすいです。おすすめ!


そして、このあたりにあるはずの児童書店を探してぐるぐる歩き回りましたが、なぜかGoogle マップ上にあるはずの場所にありませんでした。移転したのかな・・・残念。

Pimlicoは、ちょっとさみしい雰囲気の場所で、人通りも少ないです。

途中で見つけた日本料理店。半年前ロンドンに1ヶ月ちょっと滞在していたとき、Uberで頼んだような記憶があります。「サンジュゴ」ってなんだろうと思っていたら、35ということだったのですね(でもなぜ、35?)


日本語をローマ字にするとなんだか違うものみたいに聞こえます。

こちらは小さなスーパーマーケット。入り口の飾り付けに、クリスマスに対する本気度と気合いがうかがえます。


つかれたので、Koub cafeというカフェに入って編み物の続き。グリーンティーをいただきました。3.5ポンド。わりと良心的なお値段ですね(日本円換算してはいけません❤️)。


着実に育ってゆきます。まるで子どものようです。


編んでいる様子の動画をThreadsに上げたら、なぜかたくさんいいねがもらえました(ありがとうございます)。

ただ編み物をしているだけの動画って、需要があるのかな?

外に出ると、すでに辺りは暗く。寒いし疲れたので、お家にまっすぐ帰りました。自由気まま、ひとり旅のいいところ。


綺麗なイルミネーション。


衝撃の不動産価格。ロンドンの不動産価格は上昇著しく、なかなかの問題だそうです。


最近のBloombergの記事では、少し下がったらしいとの報道もありますが。

こんなに寒い季節なのに、ホームレスの方も多く、見かけるたび心が痛みます。ロンドンの道は石畳ですから、体の芯まで冷えわたってしまうのに。

右下の3ベッドルームのお家は、2295ポンド、約45万円。ちなみにper week、週あたりのお値段ですからね。衝撃!!


二度見してしまいました。

いくら高級住宅地のケンジントンだからといって、こんなお家賃、誰が払えるのでしょう・・・

おそらくこの不動産屋さんは、豪華なお家を選んで貼り出しているのだと思うので、普通のお家ならもっと安いです。

とはいえロンドンのお家は高いので、大人でもみんなフラットシェアをしているのですね。友達や知らない人と、2〜5人くらいでお家を共用するわけです。ちなみに家具付きが多いので、初期費用はだいぶ抑えられます。ただdeposit(敷金のようなもの)がかかることもあります。

わたしが今回泊まったエアビーもこのタイプ。3ベッドルームの小さなマンションで、キッチントイレバスを共用します。

このようなフラットシェアの場合、ロンドン郊外だとビル(水道・電気代)やカウンシルタックス(住民税のようなもの)、通信費込みで1ヶ月およそ700ポンド(約14万円)から、中心部ですと約1000ポンド(約20万円)から、という感覚です。

ロンドンはZoneに分かれており、Zone1が中心部、そしてZone2、Zone3と同心円状に広がっていきます。数字が増えていくたび、郊外感が増します。

今回のエアビーは2週間で600ポンドちょっとでした。エアビーですので手数料が上乗せされてこの値段です。これでもノッティングヒルにしては安いほうですかね〜ちなみにノッティングヒルはZone1と2の境目にあります。

まあ、1ポンド100円なら納得できるお値段ですけれども、いまの円安のレートで考えるとかなり高いですよね。

東京のタワマンの家賃がかわいく思えてきます。

そのわりにイギリスの平均年収はあまり高くなく、キャリアの浅い若い方の場合25000〜30000ポンド程度(約500万〜600万)のお給料なので、生活にはあまり余裕がないはずです。

わたしの友人にも、イギリスで逞しくがんばっている子が何人かおります。

移民の規制も厳しくなり、定職につけない方も増え、結果としてホームレスの方も増え・・・日本と比べ、イギリスのホームレス割合は非常に高いです。ロンドンだけでなく、どの場所でも。

ゼロ時間契約」という勤務形態も問題です。決まった仕事量が確保されておらず、雇用主の求めに応じて仕事のあるときだけ働く、という不安定な契約です。たとえばパブの店員や映画館のスタッフなどのお仕事。

フリーランスのようなものですけれども、「搾取的」とも呼ばれる勤務形態です。

働く側は必ずしも求めに応じる必要はないので、時間を決めず柔軟に働きたい方にはメリットもあります。

最近のBBCの記事では、新たな規則の導入により問題が改善に向かいつつあると報じており、働く時間を決める権利が労働者に与えられるようになったそうです。さらに、シフトが変更されたりキャンセルされたりした場合に、「合理的な通知」をすること、そして補償をすることが雇用主に求められるようになりました。

ただ、柔軟性が必要な人は、今までのゼロ時間契約で働くことも可、ということです。

わたしはフリーランスの翻訳者で、いろんな会社さんとお仕事をしておりますけれども、仕事量が確保されているわけではなく保障もなんにもありません。

一寸先は闇・・・笑、でも今は、いろんな会社さんと多種多様なお仕事をして、働く時間と場所を自分で決められる働き方が合っているなぁと感じております。将来どうなるか知りませんけどね!!!

フードバンクという、一般の方が寄付した食品を必要な方に配る団体もあります。

生活必需品なら消費税はかかりませんが(ビスケットが入るのが少しおもしろいです。基準が知りたい)、お化粧品や外食には20%の税金がかかります。高すぎる・・・

ただただ生きていくだけなら、生活費はかなり抑えられますけどね。

わたしが愛用していた激安スーパーのLidl(リドル)では、骨付きのもも肉が1kgで2.2ポンド(約450円)ほどでしたし(まあ、骨つきなので可食部は少なく、毛が微妙に生えており、臭みがありますので命をいただいているという実感があります。わたしが臭み取りにどれだけ苦心していたことか。いつかまた書こうかな・・・)1ポンドに満たない缶詰などもたくさん置いてありました。

ちなみにこのリドル、定期的に「~フェア」をやっておりまして、シェフィールドに2ヶ月間滞在していたころ、「ジャパンフェア」をやっておりました。


しかしながら画像のとおり、日本は東南アジアにあると思われているのだろうか・・・と疑わざるを得ないラインナップで、かなり面白かったのを覚えています。

このCalamansi(カラマンシー)というもの、みなさんご存知ですか?

ウィキペディア先生によると、「東南アジアで広く栽培され、特にフィリピンで非常に人気」な「柑橘類」だそうです。

ほかにも、味噌汁にうどんを入れたものや、チキンテリヤキピザ、玄米茶、ライスミルクの飲み物、ごまとはちみつのアイスなど。


こちらは「キャンディ寿司」という、クリエイティビティあふれる代物。


イギリスのしまむらことプライマークでは、お洋服が20ポンドくらいで買えたりもします。庶民の味方で、常にレジは大行列。

でもただただ生きてるだけなんてつまんないですし、旅行だって、おしゃれだってしたいですよね。

まあ、他国のことをとやかく言う権利なんてないのかもしれませんけれども、わたしはイギリスにいるわたしの大切な友人たちが楽しく暮らし、そしてホームレスの方がこんなに寒い冬に凍えてしまわないことを願っているだけです。

このあたりのイギリス生活事情は、ブレイディみかこさんのエッセイや、ケン・ローチ監督の映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』をご覧になるとよくわかります。ご興味のある方はぜひ、しかし観ていて非常に暗い気持ちになる救いのない映画です。

小説では、『All the Good Things』というイギリスの小説がおすすめ。2017年刊で、里親のもとを転々として育った、ゼロ時間契約で働く21歳の女性が主人公です。わたしは2019年にこの小説を偶然発見し、夢中になり、誰に頼まれてもいないのに全訳しました(※しかも通勤電車の中で)。

出版社に持ち込みもしたのですが、今のところ成功しておりません涙

ご興味のある編集者のかた、全訳原稿とレジュメを用意してお待ちしておりますので、わたしまでぜひご連絡ください!!!!!!!!(宣伝です❤)

帰ると、ホストの方がストーブを用意してくれていました。この日は特に寒かったので、とてもあたたかくうれしかったです。なにやらいい香りのするものを上に乗っけてくれました。


そして、昨日スーパーで買ったチキンコルマカレーを食べました。


そして編みんこの続きです。

成長過程。



途中で寝て、1時ごろに起きると、続きを始めました。


頭のてっぺんをとじて、


完成!

じゃーん。帽子です。朝の4時に完成しました。照明があまりに似合っています。夕焼け空のビーニーと名付けました(思い出のマーニー的な。観たことはありませんけれども)。


そしてまだ元気だったので、赤いヘアバンドも作りました。



ちょっとこれは、ハチマキ感あふれる仕上がりに。


編み物三昧の日々。なんてしあわせなのでしょう。

明日が楽しみで寝る、という日々は何物にも代え難い幸せであるなぁ、などと思いながら就寝。

その4に続きます!