
ポーランドに行った話(その1)
ポーランド、みなさん行ったことありますか?
ヨーロッパ旅行といえばイギリス、イタリア、ドイツ、フランス・・・などがよく候補先にあがると思いますが、なかなかポーランドに行ったことがある方はいないのではないでしょうか。
わたしは1年のあいだに、イギリスからクラクフとワルシャワの2つの都市を訪れました。クラクフに行ったのは1年前なので、今回は最近(といっても3ヶ月以上前ですが)行ったワルシャワの旅日記です。
ショパンの聖地めぐりをしたい
ショパンは意外にも(?)ポーランド出身の作曲家です。日本ではおなじみの作曲家ではないかと思いますが、「英雄ポロネーズ」の「ポロネーズ」は、ポーランドの踊り、という意味らしいのですね。
ショパンはポーランド出身ではありますが、20歳のときにポーランドからウィーンに演奏旅行に出かけた後、二度とポーランドに帰ることなく亡くなってしまったそうです(こちらの記事を参照しました)。
ポーランドを愛していたそうなのですが、調べてみるとさまざまな事情があったようです。憶測になりますから、ここでは詳しくは書きません。
ショパンの曲は、ものすごく難しい曲(英雄ポロネーズや幻想ポロネーズなど)から、わたしのようにピアノ歴いちおう15年以上にもかかわらず大した技術のない人でもなんとか弾ける曲(やさしめのワルツやノクターン)まで、さまざまです。
ということで、わたしは中学生のころからショパンに多少の親しみをもちつつ、ときにピアノの発表会で弾いてみたり、手習いをしたりしてきました。ですので、ショパンがかつて暮らしていたワルシャワに行ってみよう、となったわけです。
ロンドンからルートン空港へ
あいかわらず(過去のブログ記事参照)旅の計画を立てるのが苦手なわたしは、ショパンの聖地めぐりをするにもかかわらず、またしても大して調べずにワルシャワへとりあえず向かいました。
いまは日本におりますが、そのときはロンドンに滞在していたので、ロンドンのルートン空港という北のほうにある空港(もはやロンドンとは呼べない)から、Wizz Airという格安航空会社の飛行機で飛びました。
本当はロンドンからルートン空港までバス1本で行けるはずだったのですが、バス停を探してうろうろしているうちに目の前をバスが走り去ってしまいました。
あはは・・・どうしよう、と思いながら、ロンドンを駆け巡っているあの赤いバスに仕方なく乗り、キングス・クロス駅に向かい、そこからテムズリンクという、ちんたらちんたら走る電車に乗り、ルートンエアポートエクスプレスというモノレールのようなものに乗り、やっとのことで空港に着いたのでした。
飛行機に遅れるのだけはいやなので、わたしは飛行機に乗るときはいつも2時間以上前に着くようにしています。そのかいあって、特に焦ることもなく空港にたどり着けました。よかったです。
わたしの名誉のために言っておくと、翻訳のお仕事は当然、納期を厳守いたしますのでご安心を・・・お仕事の時間管理・スケジュール管理は得意だと自負しておりますし、人との約束の時間にも遅れません。ひとり旅だと自分にしか迷惑がかからないので気が抜けるんですね。
空港ではなにをしていたのか覚えていません。飛行機は前回のボローニャのときのように遅れることなく着いたように記憶しています。
宿泊先へ
前回クラクフに行ったので、ポーランドのバスの乗り方はわかっており、スムーズに宿泊先のAirbnbに着きました。ちなみにJakdojadeというアプリを使います。アプリでチケットを買って、バスのどこか(天井のほうです)に貼ってあるQRコードをスキャンして有効化するしくみ。
たとえば以下の画像のようなチケットです。Zone1かZone1+2に分かれており、QRコードをスキャンしてから20分有効なチケットや、1日有効なチケットなど、いろいろ種類があります。

いまアプリを見てみたら8.40ズロチ(約315円)残っていましたが、果たして使う機会はまた訪れるのでしょうか。
宿泊先のAirbnbは、知らない人たちとバスルームを共有するタイプでした。
ひとり用には大きすぎる部屋とベッド。


窓からは、ヨーロッパらしいおしゃれな建物が見えました。

ごはんを食べる
ワルシャワでは毎日ショパンのピアノコンサートがあちこちで行われています。「ワルシャワでショパンの生演奏を聴く」というあまりにおしゃれなことをしてみたかったので、事前に予約していました。
その前になにか食べておこう、と思い、ポーランド料理のレストランに入りました。以前クラクフに行ったとき、ポーランド料理はいろいろ食べたのですが、せっかくなので今回もいろいろ食べてみようと思ったのです。
ちょっと高級そうなレストランでした。

ポーランド料理として有名なピエロギを食べました。茹でたものと焼いたものの両方がありますが、今回は茹でバージョン。

英語のメニューにはだいたいpolish dumplings(ポーランドのぎょうざ)などと書いてあると思います(ぎょうざ、というのは語弊がありますね、小麦粉などで練った皮でなにかを包んだもの全般をdumplingsといいます)。
中身はマッシュポテトやひき肉、チーズなどが一般的です。イギリスに留学していたとき、ウクライナ出身の子が、似たお料理(中身はブルーベリーだったかな)を作ってくれたのを思い出します。ポーランドとウクライナはおとなりなので、料理もちょっと似てくるのでしょうか。
画像だと伝わらないと思いますが、けっこうな量でした。コンサートの時間も迫っていたし、残すのは申し訳ないので、お持ち帰りしました。外国では食べ残しを持ち帰れることが多いのでうれしいです。
帰り際にもらったバラ
お会計を済ませると、なぜか店員さんが大きな赤いバラをくれました。なぜ・・・?と思いつつありがたく頂戴しましたが、いったい、なにかの意味があったのでしょうか。

かなり大きなバラを持ちながら、旧市街のコンサート会場に向かいました。なんか、オスカー・ワイルドみたいだなと思いました。耽美派のワイルドは、ひまわりなどのお花を胸に飾って歩いていたらしいです(大学院のときに書いたエッセイで『幸福な王子』について調べていたときに知った小話)。
ピアノのコンサート
バスに乗って、旧市街の「Fryderyk Concert Hall(フレデリク・コンサートホール)」に着きました。「フレデリク」はショパンのファーストネームです。
会場に着くと、壁のまんなかにはショパンの肖像画が飾ってあり、小さめのスタインウェイのグランドピアノがステージに置いてありました。わくわく。

演奏曲の一覧が書かれた紙をもらったので、バラといっしょに写真を撮ってみました。バラは無駄にはならなかったわけです。

演奏者は、なんと日本人の若いピアニスト(末次弘季さん)でした。曲間の休憩時間に思わず話しかけ、後でインスタのDMで「素敵でした❤」などとコメントしてしまいました。その後、ポーランド楽しんでくださいね、とわざわざお返事をくださいました。
ちなみに曲間には、スパークリングワインかオレンジジュースをいただけます。おしゃれですね。
さて、「ワルシャワでショパンを聴く」という目的が達成できました。
外に出ると、なにやら人がたくさんで、おそらく演説のようなものが行われていました。ポーランド語はひとこともわからなかったので、いったい何だったのか・・・と思っていま調べましたが、どうやらデモのようでした。
「1989年ポーランド議会選挙」が1989年6月4日と18日に行われたそうで、その日はちょうど6月4日でしたからその関連ですね。あのぴりりとした雰囲気は納得です。
スーパーに寄ろう
わたしは旅先でスーパーに行くのが好きです。イタリアでも行きました(「ボローニャブックフェアに行った話(その2)」を参照)。
Biedronka(ビエドロンカ)という、てんとう虫のロゴが印象的なスーパー。ビエドロンカは、そのまま、「てんとう虫」という意味だそうです。よく見かけました。

スーパーでは、水とパンと、このニシンの酢漬けを買いました。イギリス暮らしで魚に飢えていたわたしはそれをとても気に入り、次の日も買ったのです。ちなみに皮なしをおすすめします。

虫とのたたかい
これは非常にどうでも良い話なのですが、先ほどの画像のとおりわたしの宿泊先の部屋は壁が真っ白で、窓を開け放したまま外に出た後はどうなったかというと、小バエのようなちっちゃな虫がわんさか天井やベッドに集まるということになったわけですね。
わたしは虫がキライなのであまりのどうしようもなさにがっくりしましたが、なにしろあまりにも数が多くてなにもできないので、見なかったことにして寝ました。
それでは、その2に続きます。

